「楽園追放 -Expelled from Paradise-」のあらすじ
人類が生きる選択肢としてディーヴァと呼ばれる電脳世界に身を置くことになった2400年のこと。
ディーヴァが最高の地であり、ディーヴァで地位を築くことが幸せだと疑わない主人公のアンジェラ捜査官はある日、ディーヴァ政府からディーヴァにハッキングを仕掛けている犯人が地上にいるため、その捜査に向かうよう命令される。
地上では案内人であるディンゴがアンジェラを待っていた。
ディンゴは優秀な案内人とされディーヴァへの居住権を与えられるほどでしたがディンゴ自身が拒否し、地上での生活を続けていた。
飄々とした態度のディンゴを嫌悪していたアンジェラでしたが、体調を崩したことでディンゴの優しさと、人間の体での生活の難しさを実感する。
その不便さについてディンゴに問うと、ディンゴは食べる、寝る、歌うといった娯楽のない世界、全員がその地位を争っているディーヴァに魅力がないと言います。
ディンゴと捜査を続けるうちに、アンジェラは人としてのあり方に触れ、その魅力を感じていきます。
ついにハッカーをつきとめた2人はその事実に衝撃を受ける。
ハッカーはなんと人類が作り出した人工知能でした。
彼は自身をフロンティアセッターと名乗り、宇宙旅行を夢見ており、何百年もかけてその準備を行ってきたのだと2人に話した。
ディーヴァへのハッキングは悪意はなく、宇宙旅行の同行者を求めていたためだと知り、アンジェラはディーヴァ政府へその事実を報告する。
フロンティアセッターとの共存を望むアンジェラですが、ディーヴァ政府はそれを許さず、アンジェラを幽閉するのです。
フロンティアセッターはハッキングでアンジェラを助け、地上へと戻ります。
フロンティアセッターはアンジェラを宇宙旅行への同行者として勧誘するが、
アンジェラはディンゴと共に地上へ残ることを決意し、フロンティアセッターは単独で宇宙へと旅立って行ったのだった。
「楽園追放 -Expelled from Paradise-」の感想
楽園追放 -Expelled from Paradise-は、人間の尊厳をテーマにしたアニメ映画です。
ディーヴァは電脳世界のため食事や睡眠を必要としない体を手に入れることができ、
それが幸せであるとアンジェラは信じていたが、ディンゴとの出会いによって生きるという意味や生きていく上での幸せを考えさせらた。
アンジェラの表情や言動が徐々に人間味に溢れたものになっていくところが見どころでしょう。
今まで正だと信じていたディーヴァ政府にフロンティアセッターとの共存を述べるアンジェラは怒りを露わにしながら訴えかけており、
心情の変化を最も感じる部分です。
フロンティアセッターに助けられたアンジェラとディンゴの再会のときに、ディンゴは「やっぱりこっちがいい」と言うのです。
変わっていくアンジェラにどこか惹かれていたのであろうディンゴの短くも素敵な受け入れの言葉で、
クライマックスにピッタリな影響力のあるシーンであると思う。
知らないことに出会い自分の価値観を超えた先に見た世界の中で
何を思い、
感じ、
考えるのか。。
誰もが1度はアンジェラと自身を重ねるシーンがあるのではないでしょうか。
自由に生きるという意味
を考えさせられる作品ですね。
誰かとの出会いで人生が180度変わる感動を是非たくさんの方に味わっていただきたいと思う。